ボウリング・フォー・コロンバイン

前々から勧められていた映画のビデオレンタルが始まっていたので鑑賞してみた。
アメリカの銃の問題について、コロンバイン高校の乱射事件等を通して語られるドキュメンタリー映画。他の国との比較等も行われ、アメリカでなぜ銃の犯罪が多いのかが問われていく。
今までは単純に、銃の所持が簡単だから犯罪が起こるのだと思っていたが、そういうわけでもないらしい。カナダではアメリカと同様に銃の入手ができ、人口3000万人の国に700万挺の銃があると言われているが、銃による犯罪数は全然多くはないのだという。
原因の一つとして、「恐怖」があげられている。
誰かが襲ってくるかもしれないという恐怖が、銃を常に使える状態におく。そして何かがあったときに銃を撃つ。
恐怖の増幅は、何によって行われるのか。ゲームやアニメや映画の影響もあるだろう。しかし、一番の影響はニュースや政府報告ではないかという。殺人事件のニュースを大きく報道し、名も知れぬ誰かから突然おそわれるかもしれないという恐怖を増幅する。「なぜ」その事件が起こり、「どうして」その原因の解決を行わないのか。
そもそも犯罪件数は減っているのに、報道される犯罪の数は拡大の一歩。恐怖をあおる方がビジネスにとって都合がいいということなのか。
教育についての問題もあげられる。型にはめようとし、はずれる子供には烙印を与える。12歳にして与えられるそれは、高校を卒業するまで続く。
多くの問題が提起されたこの映画、絶対に見ておいた方がいいと思う。
ただし、一つ問題を感じたのは、Kマートとの戦い(?)のシーンだ。コロンバインの被害者と一緒に銃の弾薬を売らないように頼みに行く際に、多くのメディアを引き連れて、その力をもって行っていた。メディアは毒にも薬にもなるということを示していたのかもしれないが、ちょっと納得がいかない部分があった。