著作権法改正の要望

小倉弁護士が今回の審議会で取り上げて欲しい要望をいくつかあげている。
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2004/08/2005.html
このうち、頒布権と譲渡権の改正案の内容は、中古ゲーム裁判を反映した物。
つまり、映画フィルムのように一度に多数に対して視聴させる映画については、頒布権が適用されるため、一度譲渡した後もコントロールが可能。けれど、一度に多数に対して視聴させる目的ではない物、つまりはDVDやゲームのように個人に対して販売される物については、一度譲渡したらコントロールが出来なくなるとするということだ。
端的に言えば、中古販売等を法文上も合法にすると言うこと。(最高裁では中古販売OKとされているので、これを法文にも反映させる)


貸与権の改正案の内容は、書籍や雑誌の貸与権が今回の改正で認められたことを受けて、書籍や雑誌の貸与については、報酬請求権のみとすると変更するというものだろう。
今回の改正案では貸与権そのものが書籍や雑誌に与えられているため、貸与そのものを禁止する行為が可能になっている。それを、適正な報酬さえ払えばどの本・雑誌についても貸与を可能にするということになる。


中立的行為の保護の改正案の内容は、Winny開発者の逮捕を受けたものだろう。
ソフトウェア(に限っているわけではないが)の開発に関して、その創作物が著作権侵害以外の目的で使用できる、もしくはその可能性がある物であれば、その創作行為は著作権侵害の教唆・幇助にはあたらないようにするというものである。
例えば、Winnyの場合、合法的な著作物を共有して新たな流通経路をつくることができるということがあり、そういうことにも使える物なのだから侵害の教唆や幇助には当たらないということが言えるようにするということかな。


これらの案は出しておく必要があると思う。特に一番上の譲渡権関連については、前回の審議会を見る限り、さらなる権利拡大が提案される可能性が高いだろうし。


あとは、提案するとしたら基本的に報酬請求権ベースにしてしまうこと、とか、そういうのかなぁ。ブロードバンド化での配信をやりやすくするために。放送については映画と同様にしてしまうというと、むしろやりやすくなるのかもしれない。放送局が強くなりすぎになりそうなのが問題だが。