クリエイティブ・コモンズ

日経にクリエイティブ・コモンズに関する記事が出ていた(http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20030916s2000s2)。この構想には私も賛同している。この日記では使ってないけれど。
このライセンスは、プログラムを除く著作物についてのライセンスの決定版といっていいだろう。これ一つあれば、かなりの場面で満足して使うことができる。
ただし、問題点もないわけじゃない。
一つは責任保証の問題だ。Dr. Lenz が指摘している(http://k.lenz.name/j/r/CC.pdf)ように、CCではライセンスを使用する人間が、ライセンスを使用する著作物について、その著作物が他の著作物の著作権を侵している物ではないということを保証する必要がある。他者の著作権を侵している著作物にCCをつけた場合、それによって生じた被害についての責任を負うことになる。CCによって著作物が広く頒布された後でこのようなことが起きた場合、巨額の賠償責任を負うことになるだろう。著作物を自由にするためにそれだけの責任を課せられるというのは、かなり厳しいことではないだろうか。ストールマン氏の言うことではないが、利益を得た者が、責任も負うというのが正しいように思う(http://grigori.sytes.net/report/stallman.html)。
二つ目は、アメリカ法と日本法の違いに関することだ。クリエイティブ・コモンズ・ジャパンのMLでは日本語化に関する話し合いが行われているが、そこを見るとかなりの問題点があることが指摘されている。(ROM参加中)
特に問題になるのが、アメリカ法には無い、放棄することのできない著作者人格権の規定に関することだろう。この対処についてMLではいくつかの案が出ているが、私としては、著作者人格権を行使しないことを明記し、それに同意させることで、人格権の行使を制限させるというのを支持したい。人格権を残して「名誉を毀損しない形での改変」を許可するという場合、どの時点で名誉を毀損するのかがはっきりしないというのがある。それに、アメリカのCCではどんな改変でも可能、問題があると思った場合は自分の著作者表示を削除させることが可能とするように運営されているので、同じコードで処理できなくなってしまうというのがある。機械可読式で世界中で同じように利用できるのが理想だから、統一できるようにした方がいいのではないかと思う。