「公貸権」「貸与権」導入の是非

先にも述べたように、レンタルコミック関連については、それなりの報酬請求権を与えてもいいのではないかと思っている。図書館だけでなく、多くの場所で書籍を借りられるようにすることは、文化の振興にも役に立つであろうし、レンタルによって本を読むことで、他の本を購入すると言った副次的効果もあるだろう。しかし、それによって著作者の生活に影響が出るようでは本末転倒ということにもなりかねない。
また、貸与権という形で規制を行うと有償レンタルの一斉禁止を行おうとする動きが出る可能性もあり、それではマイナスに働きかねない。そこで附則4条の2の廃止ではなく「貸与は有償でも許可するが、補償金を払わなければならない」という感じにすることを提案する。


図書館については、今のところ意見を保留しておきたい。
私自身としては、現在の図書館のあり方も何かが間違っていると思うのだ。確かに図書館があることで、読書の習慣を作り、それによって文化度を高めていくことは国にとって絶対に欠かせないことだと思う。本を読まない(読めない)人ばかりになった国の将来は暗いだろう。
だからといって、ベストセラー本を数十冊入荷するというのもどうかと思うのだ。そういう本から入って色々な本を読み出すという人もいるし、そのためにはリクエスト待ち何十件とたまらせないために入れる必要があったり、もしくは、市民の税金で運営しているのだからということでいれたりしているのかもしれない。けれど、そうやってたくさん入れた本は、そのときに新刊の需要をつぶして、そして結局は図書館の在庫にも残らず1年もしたら廃棄されているのではないだろうか。*1
文化の発展のために役に立っているのかどうか、そのあたりは数値としてはだしづらいから何とも言えないが、現在の図書館の状況だと、著作者の言い分の方がかなり正しく見えてしまう……。
まあ、私自身が専門書のような物を結構読む人だからかもしれない。普通の人からすれば、コミックや小説のようなものが「本」なのだろうし。(私も小説等は好きだけど・蔵書の半数以上は娯楽小説だし)
もし、この手の制度を導入するのだとすれば、「公貸権」制度が望ましいだろう。「著作者の生活」を前面に押し出して彼らは図書館に対して課金を行える制度を望んでいる。である以上、そのお金はあくまでも著作者に対して支払われるべきだろう。
制度の導入を行うのであれば、「公貸権」の権利移転を禁止することによって、著作者が安定した著作活動が行えるようにする方が望ましいだろう。

*1:それともその間に読まれすぎてぼろぼろになって廃棄なのか?